ブログ

Blog

国内コロナ感染は最多
数次相続を考える

2020年7月26日国内のコロナ感染者は825人となり、東京都は6日連続で200人超えとなっています。
コロナに関しては、政府は、現行法をフル活用して、夜の街対策をすすめようとしています。食品衛生法、風営法、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法、感染症法、建築物衛生法だそうです。まさに法律はリスク対策として意義があると実感します。
また、前回は尊厳死宣言のお話をしましたが、偶然にも、難病ALS患者の安楽死で医師が逮捕されました。刑法の嘱託殺人の疑いです。非難されるべき状況のようです。

このような不安な中で、思わぬかたちで相続に直面することがあります。両親のうち、先になくなられた方の相続手続きが進まないうちに、残った方の相続が始まるケースです。今回は、数次相続について考えてみようと思います。

目次

数次相続とは

ある方の父親が亡くなられて、相続の相談をうけましたが、そのままになっています。土地建物の名義もそのままでしょう。ここで、母親が亡くなると数次相続になるわけです。相続開始から3ヶ月の承認・放棄の期間内の再相続は、「再転相続」と言います。
「数次相続」はこれ以降を指すようです。
二次から、三次、四次となると関係者が増え、権利関係が複雑になります。
早めに相続手続きをおすすめします。
しかし、このようなケースが多いのも事実です。

中間省略登記

A→B→C
と所有権が移ったときに
A→C
という登記をすることを
中間省略登記といいます。
売買では、最高裁ではみとめているのに、実務では認めなかったりしました。
実態と異なるために慎重論が出るのもムリがないですね。
しかし、登記費用もばかになりませんから、必要性はあったと思われます。
今では、第三者のためにする売買では認められるようです。

相続での中間省略登記

では、相続ではどのような扱いになるでしょうか?
まさに「数次相続」のケースです。
父→母→子
という流れを
父→子
という登記にするようなケースです。
これは、中間の所有者が単独相続のときだけに認められているようです。
相続人が一人のケースや、遺産分割協議で一人に所有権を与えるケースが当てはまります。

なお、免税措置があります。

平成30年度の税制改正により,相続による土地の所有権の移転の登記について,次の登録免許税の免税措置が設けられました。
個人が相続により土地の所有権を取得した場合,当該個人が当該相続による当該土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡したときは,平成30年4月1日から令和3年3月31日までの間に当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については,登録免許税を課さないこととされました。

数次相続の遺産分割協議書を考えてみよう

それでは、私たち行政書士がお手伝いできる「遺産分割協議書」について考えてみましょう。

遺産分割協議書とは

「遺言」は被相続人が生前に書くのに対して、「遺産分割協議書」は死後、共同相続人全員が作成します。遺言がないと、法定相続分で共有となってしまいますが、それでは権利関係が落ち着かないので、遺産分割する内容をまとめて合意文書を作成するわけです。
全員が合意することが肝心です。
この遺産分割協議書が全ての相続手続きのもとになります。
もちろん、公正証書でも作成できますが、公正証書でなくても有効です。
協議は整わない時は、調停や審判によります。

数次相続の場合の遺産分割協議書

数次相続の場合は、第一次相続と第二次相続とを別々に作成すべきかが問題になります。共同相続人がすべて同じであれば、遺産分割協議書は一つにまとめてもいいことになっています。

数次相続の書き方の例

二つに分けて書くとわかりやすいと思います。
1. 亡父の財産
 母が相続する
2. 亡母の財産
 子Aが不動産を取得する
 子Bが預金を取得する

不動産がある場合は、中間省略登記が可能なように配慮する必要があるかもしれません。
父死亡時に法定相続分のとおり母と子A,Bの共有となれば、中間省略登記はできないでしょう。

その他の内容

・預貯金の場合
 金額を確定して、各自が取得する金額を決めたほうが、わかりやすいですが、金額が決められない場合は、相続する割合でも可能なようです。分けない場合は、「一切の預貯金」のような書き方も有効ですが、なるべく、銀行名支店名は特定したいです。

・税務
相次相続控除制度というのがあります。詳細は税理士へご相談ください。

まずはお問合せください

コロナ警戒と経済再生の両立という時代になってきました。数次相続の概要と、いかに複雑かがおわかりいただけたと思います。
いずれにしましても、不安な状況が続くなかで準備が欠かせいようです。

まずはお問合せください。より良い人生のために、相続・終活のお手伝いをいたします。

SHARE
シェアする

ブログ一覧

ページの先頭へ