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大阪都構想は否決
遺言(第二回)について

2020年11月1日、大阪市を廃止し、4つの特別区に再編する大阪都構想をめぐる住民投票が行われ、▽「反対」69万2996票。▽「賛成」67万5829票。で否決されました。改革に不安を感じる層と、維新と公明を除く各党が反対したのも大きかったかもしれません。議員数を減らす改正は議員が反対するからできないんでしょうね。

10月31日に日比谷から神田にかけて、各県のアンテナショップをめぐりました。商品の品ぞろえだけでも各県の特徴がでるのですが、接客や販売方法に工夫があるところと、おみやげ店と変わらないところがありました。地元の隠れた魅力に気づかせたり、商品だけでなく生産者や地元を紹介する感覚のほうがいいかもしれません。

川崎フロンターレの中村憲剛が引退を発表しました。直接話をしたのは、レギュラーに定着した年でした。○○がいなくなってよかった?なんていじわるなことを聞いた気がしますが、Jリーグを代表する選手になるとは思いませんでした。活躍はうれしかったので、引退は残念ですが、いい指導者をめざしてほしいです。

白石麻衣の卒業が取りざたされています。白石美帆とか上白石萌音ならわかるんですが、まあ驚きました。誕生日が一緒。年はちょっと違うけど。

今回は、相続にまつわる問題の中で、遺言(第二回)について考えてみようと思います。

目次

遺言の第二回

当ブログでは、遺言について
第一回で「遺言の制度概要と種類」  第二回で「各遺言種類の詳細」
第三回で「遺言の効力、撤回、検認、保管」  最終回で「遺言の執行」
というように、分けて紹介していこうと思います。
今回は第二回です。
第一回で遺言の種類を紹介しました。
普通方式遺言の3種類
① 自筆証書遺言・・・遺言者が自筆で作成。
② 公正証書遺言・・・公証人に伝え、公証人が作成。
③ 秘密証書遺言・・・内容を秘密で作成し、公証人などに封書を提出。
特別方式遺言の4種類
① 死亡危急者遺言・・・死亡の危急が迫った者が証人立会いで作成。
② 伝染病隔離者遺言・・・伝染病で隔絶地にある場合、警察官と証人の立会いで作成。
③ 在船者遺言・・・船舶中で、船長などの立会いで作成。
④ 船舶遭難者遺言・・・遭難の場合、証人の立会いで口頭で作成。

普通方式遺言の証人、立会人

① 自筆証書遺言・・・遺言者のみで可。
② 公正証書遺言・・・公証人、証人2人以上
③ 秘密証書遺言・・・証人2人以上

特別方式遺言の証人、立会人

① 死亡危急者遺言・・・証人3人以上。
② 伝染病隔離者遺言・・・警察官、証人1人以上。
③ 在船者遺言・・・船長または事務員、証人2人以上。
④ 船舶遭難者遺言・・・証人2人以上。

また、成年被後見人の遺言では、医師2人以上の立会いが必要です。
証人には欠格事由があるので注意が必要です。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は民法で以下のとおり規定されています。
(自筆証書遺言)
第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

自筆証書遺言のメリット

① 自分だけで作成できます。費用もかかりません。
② 誰にもいわずに作成できます。
③ どこに保管してもかまいません。


自筆証書遺言のデメリット

① 誰にもいわずに作れるため、存在自体が忘れられる可能性があります。
② 同じく、方式不備のおそれがあります。
③ 紛失、隠匿、破棄のおそれがあります。
④ 家庭裁判所の検認が必要です。

法務省の統計によると、検認件数は平成28年で17,205件です。

自筆証書遺言の方式要件

1.自筆
証人がいないぶん、自筆で本人の意思であることを担保します。
パソコン、タイプライター、点字器はだめ。
コピーもだめ。
カーボン紙は認める判例があります。
「添え手」で書かれた場合に認める可能性を示した判例もあります。

2.日付
自筆で年月日まで書くのが基本です。
「自分の80歳の誕生日」はOK
「自分の定年退職の日」はOK
「5月吉日」はNG

3.署名
 自筆で書かれ、本人を特定できればいいことになります。
 ペンネーム、通称、雅号でも可能です。
 遺言書が数枚の場合、一枚に書けばいいとされます。

4.押印
実印である必要はありません。指印も可とされます。
本人の依頼を受けた他人が押印してもいいとされます。
欧文による署名で押印なしで可とされたことがあります。
花押を書くことは、不可とされています。

封筒にのみ署名・押印の場合、封筒と遺言書が封でとじられていて、一体化していれば認められます。

財産目録の添付様式の緩和

財産目録は多い場合もあるので、968条2項に緩和規定が設けられました。
目録をパソコンで作成したうえで、毎様に署名押印すればいいことになります。

自筆証書遺言の加除・訂正その他の変更方法

968条3項に規定されています。
① 場所の指示
② 変更した旨の付記
③ 署名・押印

公正証書遺言

公正証書遺言は民法で以下のとおり規定されています。

(公正証書遺言)
第九百六十九条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 証人二人以上の立会いがあること。
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。

公正証書遺言のメリット

① 公証人が作成するので、方式不備はありません。
② 公証人役場で保管されるので、紛失や破棄などのおそれがありません。
③ 家庭裁判所での検認が不要です。
④ 遺言公正証書は検索が可能です。

公証役場に出向く必要がありますが、公証役場は各地にありますので、お近くの公証役場でかまいません。

公正証書遺言のデメリット

① 費用がかかります。
② 遺言を作成したことが、本人以外にわかるおそれがあります。


日本公証人連合会ホームページによると、平成29年の公正証書遺言の件数は、110,191件でした。自筆証書遺言の5倍強ですね。

公正証書遺言の方式要件

1. 証人2人以上
証人には公証人の筆記内容と口述が同一の内容であることを担保してもらいます。
2. 口授
遺言者が公証人に口授します。口伝えです。
口がきけない場合の規定は969条の2にあります。
3. 口述の筆記
公証人が筆記します。
4. 読み聞かせ又は閲覧
公証人が筆記した内容を、遺言者と証人に読み聞かせ又は閲覧させます。
耳が聞こえない場合には、969条の2に規定があります。
5. 各自署名押印
遺言者、証人が確認したあと、各自が署名、押印します。
6. 公証人が付記して署名押印
公証人が、前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押します。

秘密証書遺言

秘密証書遺言は民法で以下のとおり規定されています。
(秘密証書遺言)
第九百七十条 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
2 第九百六十八条第三項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。

秘密証書遺言のメリット

① 自筆でなくても構いません。
② 遺言の存在があきらかです。
③ 遺言の内容は伏せておくことができます。
④ 秘密証書の方式をみたさなくても、自筆証書の方式を満たせば、自筆証書として有効になります。

秘密証書遺言のデメリット

① 公証人と証人の費用、手間がかかります。
② 公証人は中身を見ないので、方式不備のおそれがあります。
③ 封筒なのですり替えのおそれもあります。
④ 家庭裁判所の検認が必要です。

秘密証書遺言は年間約100件です。

秘密証書遺言の方式要件

1. 遺言者の署名・押印
全文自筆という要件はありませんが、署名・押印は必要です。日付は不要です。
2. 封印
封筒にいれ、遺言証書に用いた印で封印します。
3. 申述
遺言者が、公証人と証人2人以上の前で、封書を提出して、自己の遺言であることを申述します。
4. 公証人、証人、遺言者の署名・押印
公証人が、封筒に日付と申述を記載して、公証人、証人、遺言者がこれに署名し、印を押します。この日付が作成日になります。

特別方式遺言

特別方式遺言には、死亡危急時遺言と隔絶地遺言があります。
特別方式遺言は、死亡や隔絶地などの特別な事情下で認められたものなので、普通方式で遺言できるようになったときから、6か月間生存するときに当然失効します。

一般危急時遺言の方式要件

1. 疾病その他の事由で、死亡の危急が迫っている場合です。
2. 証人3人以上の立会いが必要です。
3. 遺言者がその一人に口授します。
4. 口授を受けた者が筆記して、遺言者と証人に読み聞かせまたは閲覧させます。
5. 各証人が筆記を確認して、署名・押印します。
6. 一般危急時遺言は、遺言が成立した日から20日以内に、証人の一人または利害関係人が家庭裁判所に請求して確認を得ることで効力を生じます。

船舶遭難者遺言の方式要件

1. 船舶遭難の場合です。船舶中での死亡危急時です。
2. 証人2人以上の立会いが必要です。
3. 口頭で遺言することができます。
4. 証人が筆記します。後日でも可能です。
5. 証人または利害関係人が家庭裁判所に請求して、確認を得ることで効力を生じます。

伝染病隔離者遺言の方式要件

1. 伝染病によって行政処分で交通を断たれた場所にある場合です。
2. 警察官1人及び証人1人以上の立会いが必要です。
3. 遺言書を作成します。
4. 遺言者、筆者、立会人、および証人が各自署名・押印します。

隔絶地にある場合なので、地震なども含むとされています。
現在は、伝染病予防法にかわり「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)があります。

在船者遺言の方式要件

1. 船舶中にある場合です。
2. 船長または事務員及び証人2人以上の立会いが必要です。
3. 遺言書を作成します。
4. 遺言者、筆者、立会人、および証人が各自署名・押印します。

事務員とは、船長以外の船舶職員とされています。

まずはお問合せください

大阪都構想投票は、否決されました。議員数を減らす改正はできないんでしょうね。

フロンターレの中村憲剛が引退発表しました。新しい門出を祝いたいですね。

遺言の種類がおわかりいただけたと思います。自筆証書か公正証書がお勧めです。

次回以降に続きます。


いずれにしましても、不安な状況が続くなかで準備が欠かせないようです。

まずはお問合せください。より良い人生のために、相続・終活のお手伝いをいたします。

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