アメリカでワクチン許可
遺留分(後半)について
2020年12月11日、米食品医薬品局は、ワクチンの使用許可を出しました。ファイザー製のワクチンは一人2回接種する必要があるそうです。EUも追随するようです。明るいニュースですね。一方で、厚労相が、医療崩壊の定義について、役人答弁をしていたのが印象的ですね。おいおいしっかりしろよとヤジがとびそうです。あっという間に、コロナ後進国になるおそれもあります。
医療費の75才以上2割負担への引き上げ問題は、年収200万円以上で決着。柔道66KGの阿部対丸山決戦は、阿部で決着。最後までテレビ放送してください。
今回は、相続にまつわる問題の中で、遺留分(後半)について考えてみようと思います。
目次
- ○ 遺留分(後半)について
- ・2018年民法改正前の遺留分減殺請求権
- ・2018年民法改正後の遺留分侵害額請求権
- ・遺留分侵害額請求権の行使
- ・遺留分権利者の債権者
- ・遺留分侵害額請求の対象
- ・遺留分請求の相手方
- ・相手方の保護
- ・消滅時効・除斥機関
- ○ まずはお問合せください
遺留分(後半)について
前回は遺留分の概要と、放棄、遺留分の割合、遺留分の査定の基礎財産についてでした。
たとえば、「遺産全額を〇〇に譲る。」という遺言があっても、もらえなかった相続人はあきらめずに、一定の割合の遺留分を主張することができる制度でした。
今回は、遺留分侵害請求権などについてです。
2018年民法改正前の遺留分減殺請求権
民法改正前、この権利は「遺留分減殺請求権」と呼ばれてました。
2019年7月1日より前に発生した相続はこちらです。
通説判例は形成=物権説です。
遺留分減殺請求権を行使すると、遺留分権利者に権利が帰属するという考え方です。
権利を請求された受贈者・受遺者は、価額弁償の抗弁ができるとされていました。
つまり、ものは返さないで、お金で解決できることなっていました。
2018年民法改正後の遺留分侵害額請求権
2018年の民法改正で、「遺留分侵害額請求権」という金銭債権となりました。
2019年7月1日より後に発生した相続はこちらです。
逆に金銭での解決が原則になりました。
遺留分侵害額請求権の行使
遺留分の権利者は、兄弟姉妹以外の相続人でした。
その承継人も行使することができます。
遺留分権利者の、相続人、包括受遺者、特定承継人も含まれます。
行使方法は意思表示です。おなじく形成権です。
実務的には、「遺留分侵害額請求書」または「遺留分侵害による侵害額請求の調停申立書」です。
遺産分割の協議をもうしいれることが、遺留分侵害額請求をしていることになるのかが問題になるケースがあり、相続分が遺言でゼロとされた場合には、これを認める判例があります。
遺留分権利者の債権者
民法改正前の判例では、債権者は、一身専属権のため代位行使できないとされていました。
「遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、これを第三者に譲渡するなど、権利行使の確定的意思を有することを外部に表明したと認められる特段の事情がある場合を除き、債権者代位の目的とすることができない」というものです。
民法改正後も変わらないと思われます。
遺留分侵害額請求の対象
対象は下記のとおりです。
① 相続開始前の1年間の贈与が対象です。
② 遺留分権利者への損害を加えることを知ってした贈与は1年前でも対象です。
③ 共同相続人への贈与は、特別受益にあたる場合は10年間対象です。
④ 負担付き贈与は、負担額を控除します。
⑤ 不当な対価の場合、双方が加害をしっていた場合に限りその対価を負担とする負担付き贈与とみなされます。
遺留分請求の相手方
贈与と受贈がある場合、先に受遺者が相手方となります。
それで充足できないときに、受贈者が相手方です。
死因贈与が問題になります。贈与ではありますが、遺贈と同じにも考えられます。
遺贈と同じとする遺贈説もありますが、多数は最終贈与説です。
複数の贈与がある場合は、あとの贈与からになります。
(受遺者又は受贈者の負担額)
第千四十七条 受遺者又は受贈者は、次の各号の定めるところに従い、遺贈(特定財産承継遺言による財産の承継又は相続分の指定による遺産の取得を含む。以下この章において同じ。)又は贈与(遺留分を算定するための財産の価額に算入されるものに限る。以下この章において同じ。)の目的の価額(受遺者又は受贈者が相続人である場合にあっては、当該価額から第千四十二条の規定による遺留分として当該相続人が受けるべき額を控除した額)を限度として、遺留分侵害額を負担する。
一 受遺者と受贈者とがあるときは、受遺者が先に負担する。
二 受遺者が複数あるとき、又は受贈者が複数ある場合においてその贈与が同時にされたものであるときは、受遺者又は受贈者がその目的の価額の割合に応じて負担する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
三 受贈者が複数あるとき(前号に規定する場合を除く。)は、後の贈与に係る受贈者から順次前の贈与に係る受贈者が負担する。
2 第九百四条、第千四十三条第二項及び第千四十五条の規定は、前項に規定する遺贈又は贈与の目的の価額について準用する。
3 前条第一項の請求を受けた受遺者又は受贈者は、遺留分権利者承継債務について弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、消滅した債務の額の限度において、遺留分権利者に対する意思表示によって第一項の規定により負担する債務を消滅させることができる。この場合において、当該行為によって遺留分権利者に対して取得した求償権は、消滅した当該債務の額の限度において消滅する。
4 受遺者又は受贈者の無資力によって生じた損失は、遺留分権利者の負担に帰する。
5 裁判所は、受遺者又は受贈者の請求により、第一項の規定により負担する債務の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。
相手方の保護
前掲の第5項です。
急に請求されると困る人もいるので、裁判所による期限を付与する制度です。
消滅時効・除斥機関
消滅時効は1年、除斥期間は10年です。
遺贈・贈与があったことと、遺留分を侵害することを知ったときから1年が消滅時効で、相続開始から10年が除斥期間です。
まずはお問合せください
米食品医薬品局は、ワクチンの使用許可を出しました。明るいニュースですね。日本もコロナ後進国にならないようにお願いしたです。
遺留分についておわかりいただけたと思います。次回は相続回復請求権です。
いずれにしましても、不安な状況が続くなかで準備が欠かせないようです。
まずはお問合せください。より良い人生のために、相続・終活のお手伝いをいたします。