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コロナに変異種
相続回復請求権について

2020年12月20日、WHOは同じ新型コロナウイルス変異種がイギリスのほか、デンマーク、オランダ、それにオーストラリアでも確認されたことを明らかにしました。変異種の感染を受け、EU域外の国もイギリスなどからの旅客機の受け入れを相次いで停止しています。国立感染症研究所によると、わが国において同様の変異したウイルスは確認されていないということですが、油断できませんね。

一方で企業でも年賀状の廃止や、ハンコの廃止が進むというニュースもあります。飲食店も必死に生き残りを図っています。こんな時期にも、GOTO停止が早いとか遅いとか政府の足を引っ張る野党は平和ぼけでしょうか。挙国一致でコロナに向かうべきときですよね。会食が多いのは問題ですけど。

今回は、相続にまつわる問題の中で、相続回復請求権について考えてみようと思います。

目次

相続回復請求権とは

相続回復請求権の定義は民法にはありませんが、判例で定義されています。
相続回復請求の制度は、相続人でない者が相続人として、真正相続人の相続権を侵害している場合に、真正相続人の侵害の排除請求を認め、相続権を回復させようとするものである。
(相続回復請求権)
第八百八十四条 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする。




相続回復請求権の主体

相続回復請求ができるのは、相続人とその法定代理人です。
包括受遺者、相続分譲受者、遺言執行者、相続財産管理人も可能です。

消滅時効と除斥期間

1. 消滅時効5年間
  相続権を侵害されたことをしったときから5年間で消滅します。
  
2. 除斥期間20年
相続が開始してから20年間でも消滅します。
判例は、消滅時効とするものがあります。

消滅時効の援用権者

消滅時効というのは、ご存じのとおり、援用する必要があります。
つまり、消滅時効にかかっているから消滅しているという主張をする必要があります。
その主張をできるのが援用権者です。

判例は、善意・合理的理由を要求しています。
つまり悪意の者は、相手の相続回復請求権の消滅時効を主張できないことになります。
「共同相続人のうちの一人又は数人が、相続財産のうち自己の本来の相続持分をこえる部分について、当該部分の表見相続人として当該部分の真正共同相続人の相続権を否定し、その部分もまた自己の相続持分であると主張してこれを占有管理し、真正共同相続人の相続権を侵害している場合につき、民法八八四条の規定の適用をとくに否定すべき理由はないものと解するのが、相当である。」

悪意はだめです。
「共同相続人の一人甲が、相続財産のうち自己の本来の相続持分を超える部分につき他の共同相続人乙の相続権を否定し、その部分もまた自己の相続持分に属すると称してこれを占有管理し、乙の相続権を侵害しているため、乙が右侵害の排除を求める場合には、民法八八四条の適用があるが、甲においてその部分が乙の持分に属することを知つているとき、又はその部分につき甲に相続による持分があると信ぜられるべき合理的な事由がないときには、同条の適用が排除される。」

表見相続人・第三取得者による取得時効の援用

明治民法下ではこの相続回復請求権の消滅時効が定められていることを理由に、取得時効の適用は廃除した判例があります。
しかし、現在は取得時効も肯定されると考えられています。

まずはお問合せください

新型コロナウイルス変異種がイギリスのほか、デンマーク、オランダ、それにオーストラリアでも確認されました。わが国において同様の変異したウイルスは確認されていないということですが、油断できませんね。
相続回復請求権についておわかりいただけたと思います。
これで、潮見佳男先生の「詳解相続法」に基づくブログは終了です。
次回はまた、趣向を変えて、新年から始めようと思います。

いずれにしましても、不安な状況が続くなかで準備が欠かせないようです。

まずはお問合せください。より良い人生のために、相続・終活のお手伝いをいたします。

では、よいお年をお迎えください。

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