ブログ

Blog

大規模接種と朝ドラ
遺言事項について

2021年5月17日から、政府が東京と大阪に設置する大規模会場での新型コロナウイルスのワクチン接種は、予約受付が始まりました。防衛省によると、開始から45分間で2万件超の予約が入り、大阪は25分で完了だそうです。17日から1週間は東京23区と大阪市に住む65歳以上の高齢者に限られ、今月24日から東京都と大阪府、今月31日からは東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県と大阪、京都、兵庫の2府1県へと対象地域が拡大されます。

川崎市では、65歳から74歳までの接種券の発送日は5月26日(水)に、予約の開始日は6月上旬に変更となっています。近くのNECのホールが提供されるそうです。

中山防衛副大臣は16日、国で予約する場合は各市区町村の予約を取り消すよう求めました。政府は近く薬事承認される見通しのモデルナ製ワクチンをセンターでの接種に使う方針で、自治体はファイザー製を使用しているので1回目と2回目は同じ会場とする必要がありそうです。

ところで、NHK朝ドラ『おかえりモネ』は、宮城県気仙沼市と登米市が舞台となっています。登米市(とめし)のなかの登米町(とよままち)がロケ地のようです。風車は長沼のものです。私が生まれ育ったのは、登米郡迫町(はさまちょう)です。学校は栗原郡瀬峰町でしたが、わがふるさとの隣町がテレビの舞台となります。森林組合の見習い職員という設定ですが、自分は山もあり田んぼもあり、郵便局も映画館も教会もグランドもあるところで育ちました。ふるさとを思い出しながらみようと思っていて、とても楽しみです。

今回は、秘密証書遺言に続いて、遺言事項について考えてみようと思います。

目次

遺言事項

今回は、秘密証書遺言に続いて、遺言事項について考えます。
これまで、遺言の方式について考えてきました。今度は中身です。遺言はどんな内容でもいいわけではありません。遺言の中で法律的な強制力が生じるのは、法で規定されているものだけになります。それが「法定遺言事項」です。

遺言できる事項は?

法定遺言事項とは、法的拘束力がある遺言書内容のことをいいます。
1.相続に関する事項
(1) 相続人の廃除とその取消し(民893、894②)
(2) 相続分の指定または指定の委託(民902①)
(3) 特別受益者の相続分に関する指定(持ち戻し免除など)(民903③)
(4) 遺産分割方法の指定またはその委託(民908前段)
(5) 配偶者居住権の設定(民1028)
(6) 遺産分割の禁止(民908後段)
(7) 共同相続人の担保責任の定め(民914)
(8) 遺留分侵害額負担方法の指定(民1047①)
2.財産処分に関する事項
(9) 包括遺贈、特定遺贈(民964)
(10) 一般財団法人の設立(一般法人152②)
(11) 信託の設定(信託法3二)
3.身分に関する事項
(12) 子の認知(民781②)
(13) 未成年後見人、未成年後見監督人の指定(民839、848)
4.遺言執行に関する事項
(14) 遺言執行者の指定または指定の委託(民1006)
5.その他
(15) 祭祀承継者の指定(民897①ただし書き)
(16)保険金受取人の指定又は変更(保険法44①、73①)

法定遺言事項でないものを遺言に書いた場合は?

法定遺言事項以外は法律的な強制力がありません。
例えば、葬儀の方法、臓器提供、あるいは会社の財産の処分などに関する記載です。
あくまでも個人の生前の意思が表示されていることだけになります。残された相続人などが決定する時に参考にすることは考えられます。
会社の財産に関することなどは権限もなくほぼ無効になります。

法定遺言事項の中で生前にできる事項は?

法定遺言事項の中には、生前の行為でもできる事項があります。
例えば、推定相続人の廃除と取消、認知、一般財団法人の設立、信託の設定、特別受益者の相続分に関する指定、祭祀承継者の指定です。
 

遺言と異なる遺産分割協議は可能?

遺言執行者がいない場合
遺言と異なる遺産分割協議は可能と考えられています。

遺言執行者がいる場合
相続人は、相続財産の処分そのた遺言に執行を妨げる行為をすることはできません。遺言執行者がいる場合は、遺言と異なる遺産分割協議はできないことになります。

(遺言の執行の妨害行為の禁止)
第1013条
1.遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
2.前項の規定に違反してした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
3.前2項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。

条件や期限をつけた遺贈は可能?

条件や期限をつけた遺贈は可能です。
たとえば、「孫が将来大学に進学したら学資をあげる」などです。

(1)停止条件付遺贈の例
  「孫が将来大学に進学したら学資をあげる」
(2)解除条件付遺贈の例
  「事業用土地を贈与するが、廃業したら土地の贈与はなかったことにする」
(3)負担付遺贈の例
  「妻の生活費を支払うことを条件として財産を遺贈する」
  遺贈の目的物の価額を超えない限度において負担します。
  停止条件付か負担付きかは、強制可能な義務かどうかの違いです。
  結婚などは強制できないので、停止条件になります。
  「孫が結婚したら家をあげる」
(4)始期付遺贈の例
  「〇〇年〇月から遺贈する」
(5)終期付遺贈の例
  「〇〇年〇月まで遺贈する」

遺贈できるものは?

遺贈の対象となるのは、遺言者個人に帰属している譲渡可能な積極財産すべてとなります。会社の財産は対象ではありません。
遺言を書く場合は、財産を特定できるように書く必要があります。
遺贈できないものを例は以下のとおりです。
(1)一身専属権
(2)死亡退職金・遺族年金・・・遺族の固有の権利です。
(3)生命保険金・・・受取人固有の権利です。
(4)香典・・・喪主または葬儀費用負担者が受領するものです。

まずはお問合せください

政府が新型コロナウワクチン接種大規模会場を設置しました。
国の予約と各市区町村の予約は二重にならないようにしないといけませんし、1回目と2回目は同じ会場とする必要がありそうです。
今回は、遺言事項についておわかりいただけたと思います。
自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の作成、遺産分割協議書の作成、法定相続情報一覧図の作成は当事務所にお任せください。

いずれにしましても、不安な状況が続くなかで準備が欠かせないようです。

まずはお問合せください。より良い人生のために、相続・終活のお手伝いをいたします。

SHARE
シェアする

ブログ一覧

ページの先頭へ