NHK日本に憧れ 日本に学ぶ 〜スティーブ・ジョブズ ものづくりの原点〜をみました。
ジョブズは１９８４年マッキントッシュの発表会で日本髪の女性の書き方をデモンストレーションしました。元の絵は日本の新版画でした。橋口五葉「髪梳ける女」です。切手にもなっていますね。
ジョブスが子供の頃大好きだった親友フェルナンデスの家にあった新版画は、川瀬巴水の、「日光街道」「奥入瀬の秋」「赤目先手の瀧」でした。浮世絵と違い、この新版画では、絵師が彫り師と摺師に指示をします。浮世絵より色数も多く繊細です。ジョブズはパソコンで絵を描く過程を、この新版画と重ね合わせて発想したというのです。あの世界を驚かせたマッキントッシュは日本の新版画にヒントがあったというわけです。ウオークマンが教科書だったともいいます。マッキントッシュの部品はソニー製が多かったようですが。なぜ、当時の富士通など日本企業にはできなかったのでしょうね。
また、ソニーのものづくりにも共感していました。「Simplicity is the ultimate sophisticationシンプルさこと究極の洗練だ」と言う言葉を標榜しています。デザイナーに権限を与えるということもしていたらしいので、すでに「デザイン思考」ですね。
１９９８年の初代iMacは曲線のデザインでした。これは、日本の陶器の影響だというのです。富山県立山町の陶芸家と交流しています。皿の角を丸くする注文をつけました。信楽焼の「蹲」の肩のなだらかさを気に入っていました。
新版画で画像作成のヒントを得て、陶器で製品デザインのヒントを得たのです。
また、アップルストアは、曲線をとりいれただけでなく、コンピュータで何ができるかがわかるようにしたといいます。ストーリー思考ですね。
シンプルで美しいものにひかれる気持ちは日本から学んだんですね。陶器や版画を支えているのは職人です。日本文化を支えているのは、職人かもしれません。
ジョブスに刺激されてもっと日本の良さを見直そうと思いました。