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緊急事態宣言は全面解除も課題
遺産分割協議(後半)について

2021年3月22日、政府は首都圏の緊急事態宣言を22日午前0時に全面解除しました。感染再拡大を防ぐ対策は、緩和しながら継続となり、飲食店は「午後9時まで」へ延ばします。新規感染者へのスクリーニング検査の実施率は40%程度まで引き上げ、繁華街でのモニタリング検査や高齢者施設の従業員などの集中検査も進めるとのこと。宣言解除の反動は心配ですが、もっと効果のある対策を実行しましょう。

一方非接触は広がりを見せ、IT大手が生体認証の新技術を投入しています。日立は指の静脈パターンを非接触で読み取れる装置を販売すると発表しました。一方、パナソニックは東京ドームで顔認証の実験を始め、入場管理やグッズ販売などに役立てる計画です。富士通もマスクを着けたままでも99%以上で識別できる顔認証を実用化します。登録した素顔からマスクを着けた姿を作成し、AIに学習させることで、識別精度を高め、新川崎ローソンの「レジなし店舗」で社員を対象に実験を行っているようです。マスクを着けたままで顔を識別できる技術は、NECも昨年秋に発表しています。

また、17日の判決で、同性同士の結婚が認められないのは憲法違反という主張に対し、札幌地裁の武部知子裁判長は「同性愛者が婚姻によって生じる法的利益の一部すらも受けられないのは合理的な根拠を欠いた差別的な取り扱いだ」などとして、法の下の平等を定めた憲法14条に違反するという初めての判断を示しました。世界の主要7カ国(G7)で同性婚を認めていないのは日本だけだそうで、憲法違反との判断が示されたことで、議論は続きそうです。

毎日暖かい日が続き、東京では桜は満開だそうです。我慢ですねえ。

今回は、相続にまつわる問題の中で、前回に続いて、遺産分割協議(後半)について考えてみようと思います。

目次

遺産分割協議の様々な内容とは

相続が始まり、遺言書のない場合は、法定相続人全員が協議して、遺産を分割することになります。「遺産分割協議書」の作成は前回考えましたが、今回は、その続きで「遺産分割協議書」に、さまざまなタイプの内容を盛り込む場合についてです。

分割協議後に遺産が発見された場合に備えるときは?

例えば、遺産分割協議後に被相続人の方のへそくり預金が発見される場合があります。
この場合に備えて、その対処方法をあらかじめ遺産分割協議書に書いておくことは可能です。
① 発見されたときに改めて分割の協議をすると定める。
② 発見されたものは、特定の相続人が取得すると定める。
③ 発見されたものを、取得する割合を定める。
上記では①が一般的です。②は発見されたものが、予想外の高額であると問題が起こる可能性があります。組み合わせて使いましょう。

遺言と異なる内容で分割したいときは?

相続人全員が合意すれば、遺言で禁じた場合を除き、遺言と異なる内容で遺産分割協議ができるとされています。

第907条
1.共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。
2.遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。
3.前項本文の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。

ただし、いくつかの条件があります。
まずは、遺言で分割を禁止していないこと
次に、全員が合意すること。
相続人でない包括受遺者がいれば、同意していること。
遺言執行者がいるときは、反対していないこと。

などです。
これらの条件が満足している場合は、その条件が満足していることがわかるように遺産分割協議書を作成することになります。



相続人の中に、未成年者がいるときは?

親権者も相続人としている場合と、親権者がいない場合とで扱いが異なります。
親権者も相続人の場合は、未成年者と親権者が利益相反関係になります。
従って、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらい、特別代理人との間で遺産分割協議書を作成します。なお親権者が相続を放棄すれば、代理人となることが可能です。
また、親権者がいない場合は、未成年後見人の選任を申し立てます。未成年後見人との間で遺産分割協議書を作成します。

 「特別代理人選任審判申立書」
 「未成年後見人選任審判申立書」

相続人の中に、判断能力がない人がいるときは?

認知症などで判断能力がない人が遺産分割協議に参加すると、無効となるおそれがあります。
従って、家庭裁判所に成年後見開始の申立てをし、選任された成年後見人との間で遺産分割協議書を作成します。選任までに時間がかかり必要な場合は、財産管理者の選任を申し立てることもできます。

 「後見開始審判申立書」
 「審判前の保全処分申立書」

相続人の中に、判断能力が不十分な人がいるときは?

精神上の障害などで判断能力が不十分な人がいる場合は、保佐人または補助人を選任します。選任された保佐人または補助人と協議書を作成します。
選任までに時間がかかり必要な場合は、財産管理者の選任を申し立てることもできます。

 「保佐開始審判申立書」
 「補助開始審判申立書」
 「審判前の保全処分申立書」

相続人の中に、成年被後見人と成年後見人がいる場合は「特別代理人」(後見監督人がいれば後見監督人)、被保佐人と保佐人がいる場合は「臨時保佐人」、被補助人と補助人がいる場合は「臨時補助人」を、それぞれ選任してもらい、利益相反とならないようにします。

相次いで相続が発生したときは?

例えば、父が死亡し、遺産分割協議をする前に、相続人である母が死亡するケースが考えられます。
一次相続と二次相続は分けて遺産分割協議書を作成することが基本ですが、合わせた遺産分割協議書を作成することも可能です。

相続分を指定する遺言があったときは?

例えば、遺言で、割合だけ指定することがあります。
この場合には、その割合を具体的に分割する協議書を作成する必要があります。
協議がうまくいかないときは調停です。

まずはお問合せください

首都圏の緊急事態宣言を全面解除されました。反動は心配ですが、効果のある対策を実行しましょう。
桜は満開だそうです。我慢ですねえ。

今回は、遺産分割協議書についておわかりいただけたと思います。
遺産分割協議書の作成、法定相続情報一覧図の作成は当事務所にお任せください。

いずれにしましても、不安な状況が続くなかで準備が欠かせないようです。

まずはお問合せください。より良い人生のために、相続・終活のお手伝いをいたします。

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